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賃貸経営

賃貸管理会社は変更できる!リスクを防ぎ収益改善につなげるポイントとは

「今の管理会社、本当にこのままでいいのだろうか…?」
賃貸経営を行うオーナーの多くが、一度は管理会社の対応や手数料に疑問を抱いた経験があるはずです。空室が続いていたり、対応が遅かったり、高い管理費用に見合ったサービスを感じられなかったり…。そんなとき、有効な選択肢となるのが「賃貸管理会社の変更」です。
実際、国土交通省の調査(国土交通省「平成30年度マンション総合調査 管理組合向け調査の結果」)によれば、分譲マンションにおける管理会社の変更率は20.9%と、5組合に1つが変更を経験しています。賃貸物件においても、管理会社の変更は決して特別なことではないのです。
ただし、変更には保証の喪失やトラブルといったリスクも伴います。
本記事では、管理会社を変更すべきタイミングや手順、注意点をわかりやすく整理していきます。

管理会社を変更すべき主な理由

賃貸経営において、管理会社はオーナーの右腕とも言える存在です。その分、対応の質や管理の丁寧さ、空室対策力が収益に直結する重要な要素でもあります。
ここでは、実際にオーナーが管理会社を変更するきっかけとなった代表的な理由を5つご紹介します。


担当者や対応に不満がある

「連絡しても返信が遅い」「担当者の知識不足が目立つ」「クレーム対応が雑」
このような不満を抱えるオーナーは少なくありません。
日常的なやりとりがストレスになるようであれば、担当者の変更や、管理会社そのものの見直しを検討すべきタイミングです。


空室が埋まらない

物件自体に問題がないのに、3カ月以上空室が続く/入居の申し込みがないといった状況は、管理会社の集客力不足や営業活動の不徹底が原因かもしれません。
家賃を下げる前に、本当に空室対策に強い管理会社かを見直すことが重要です。


管理費用が高すぎる

家賃に対して5%以上の管理手数料を支払っている場合、コストに見合う業務内容になっているか確認しましょう。
特に、好立地や築浅の物件であれば、管理コストを見直すだけで収益性が向上するケースも多くあります。


管理の質が低い

共有部の清掃が行き届いていない、修繕対応が遅い、必要のない工事を提案してくる…。こうした管理のずさんさは、入居者の満足度低下・早期退去につながる要因です。
物件の魅力が落ちる前に、信頼できる管理会社への変更が求められます。


前オーナーから契約を引き継いでいるだけ

オーナーチェンジで物件を取得した際に、前オーナーの契約をそのまま継続している場合は注意が必要です。
契約条件や対応内容が自分の経営方針と合っているか、一度立ち止まって見直してみましょう。

管理会社を変更するメリットとデメリット

賃貸管理会社の変更は、「今の管理状況に不満があるから仕方なく変える」という消極的な選択肢ではありません。
むしろ、管理会社の見直しによって、賃貸経営の質そのものが大きく変わるチャンスでもあります。
ここでは、変更によって得られるメリットと、注意すべきデメリットを整理していきましょう。


管理会社変更のメリット

対応の質が改善される

日常連絡のスピードや、クレーム対応の精度が向上し、ストレスの少ない経営環境を手に入れることができます。


空室対策が強化される

集客力・営業力に優れた管理会社へ変更することで、空室期間が短縮され、収益が安定しやすくなります。


管理費用の見直しで収益改善

同じ業務内容でも、手数料に差があるケースは多く、適正価格の会社に乗り換えることでキャッシュフローを改善できる可能性があります。


新しい提案を受けられる

老朽化対策、空室活用、保険の見直しなど、前向きな経営提案をしてくれる管理会社も存在します。


オーナーや区分所有者の意識が高まる

管理会社変更は、物件や経営に向き合う良い機会にもなります。「なんとなく任せきり」から脱却し、オーナーとしての判断軸を持てるようになることも大きなメリットです。


管理会社変更のデメリット

入居者の不満が生じる

振込先口座の変更や、対応窓口の変化などにより、「連絡が面倒になった」などの声が出ることもあります。


引き継ぎ不備によるトラブル

旧管理会社からの情報共有が不十分だと、クレームの再発や二重対応などの混乱が起こるリスクもあります。


家賃保証の契約が切れる可能性

多くの保証会社は管理会社と連携して保証を提供しており、管理会社の変更時に保証契約が終了してしまうことがあります。

管理会社変更時に起きがちなトラブルと対応策

管理会社の変更には多くのメリットがありますが、事前に想定しておくべき落とし穴も存在します。この章では、実際に発生しやすいトラブルと、それぞれの予防・対策方法を解説します。


入居者とのやりとりに関するトラブル

管理会社を変更すると、家賃の振込先口座が変わるのが一般的です。
この案内が不十分だと、「前の口座に振り込んでしまった」「そもそも通知を見ていなかった」といった混乱が起き、滞納扱いになる可能性も。

【対応策】
・口座変更のお知らせは「文書+口頭」で丁寧に伝える
・ポスト投函に加え、メールやSMSなどでもリマインドを行う
・振込先変更の猶予期間を設けることで、入居者に安心感を与える


引き継ぎ不備によるクレームの再発

「騒音問題」「設備トラブル」などの過去のクレーム対応履歴が新しい管理会社に引き継がれていないと、同じ入居者から同じ不満が寄せられ、関係悪化に発展することも。

【対応策】
・クレーム対応履歴ややり取り内容は、旧管理会社からの明文化された資料として必ず提出してもらう
・新旧管理会社の引き継ぎ時に、オーナーが立ち会うのが理想的


旧管理会社との関係悪化

解約を通知された管理会社が、引き継ぎを意図的に遅らせたり、資料の提出を拒んだりするケースも実際にあります。
特に、仲介店舗などを併設している管理会社では、急な管理切り替えにより対応を後回しにされることも。

【対応策】
・解約の意向は早めに・冷静に伝える
・引き継ぎ資料やデータの提出期限を明確に設定する
・必要に応じて、新管理会社からもリマインドの連絡を入れてもらう


管理人や担当者の変更による混乱

「今までの担当者はよかったのに…」「誰に連絡すればいいのか分からない」など、急な担当者変更による心理的ストレスが入居者側に生じる場合もあります。

【対応策】
・新しい管理会社や担当者の紹介を文書だけでなく、顔写真付きの案内や簡単な挨拶文などで行う
・対応チャネル(電話・メール・アプリ等)を整理し、わかりやすく案内する


家賃保証が切れてしまう可能性

多くの物件で導入されている家賃保証サービスは、管理会社と連携して契約されているケースが一般的です。
そのため、管理会社の変更によって、保証契約が自動的に終了してしまう場合があります。
もしこのまま新たな保証契約を結ばずに入居者との契約を続けると、万が一の家賃滞納時にオーナーが直接リスクを負うことになります。

【対応策】
・現在契約している保証会社との契約状況を事前に確認する
・新しい管理会社が「同一保証会社と提携しているか」も確認ポイント
・必要に応じて、新たに保証契約を結ぶ、または一括で保証登録できる管理体制を選ぶのが理想的

管理会社を変更する手順とスムーズに進めるコツ

賃貸管理会社の変更は、しっかりとした段取りを踏むことでスムーズに進めることができます。トラブルを防ぐためにも、事前準備と適切な引き継ぎが重要です。ここでは変更までの流れと、円滑に進めるためのポイントを解説します。


① 契約内容と解約条項の確認

まず確認すべきは、現在の管理会社との契約内容です。解約には「何ヶ月前までに通知が必要か」「違約金が発生するのか」など、契約書に記載された条件に沿って対応する必要があります。特に違約金が発生する場合は、トータルコストに影響するため要注意です。


② 新しい管理会社の選定

次に、新たな管理会社の選定です。複数社から見積もりや提案を取り寄せ、以下のようなポイントを比較検討しましょう。

  • 対応の丁寧さやレスポンスの早さ
  • 空室対策に対する具体的な施策
  • 管理戸数や入居率などの実績
  • 家賃保証会社との連携体制
  • 管理費用の内訳と付帯サービス

最終的には、信頼できる担当者がつくかどうかが成功のカギとなります。


③ 解約通知の提出

新しい管理会社が決まったら、現管理会社に解約通知を提出します。通知は書面で行うのが一般的で、「契約終了希望日」や「解約理由」などを明記します。通知後も、契約満了まではしっかり管理を行ってもらうため、冷静で丁寧な対応を心がけましょう。


④ 引き継ぎと入居者への通知

重要なのが、新旧管理会社の間で行われる引き継ぎです。賃貸借契約書、鍵、敷金精算状況、設備情報、過去のクレーム対応履歴など、多くの情報がスムーズに渡されるよう確認しましょう。引き継ぎ時にはオーナー自身も立ち会うのが理想です。
また、入居者への「管理会社変更のお知らせ」も忘れずに。口座情報の変更や緊急連絡先の変更など、生活に関わる点があるため、丁寧な案内が求められます。通知は書面+口頭説明を組み合わせると、信頼性が高まります。

管理会社選びで失敗しないチェックポイント

管理会社の変更がうまくいくかどうかは、「次にどんな会社を選ぶか」で大きく左右されます。管理内容に不満を感じての変更なら、同じ失敗を繰り返さないためにも、以下のポイントをもとに慎重に選定しましょう。


実績と管理戸数

まず確認すべきは、その管理会社の実績や規模感です。管理戸数が多く、地域の賃貸市場に精通している会社であれば、空室対策のノウハウや募集力が強く、トラブル対応にも慣れているケースが多いです。

【チェックポイント】
・管理戸数が1,000戸以上あるか
・対象エリアでの実績があるか
・対応スピードに定評があるか


空室対策力

空室率の改善を重視するなら、入居付けのノウハウがあるかを見極めることが大切です。ポータルサイトへの掲載力、仲介店舗とのネットワーク、リフォーム提案の有無などを確認しましょう。

【チェックポイント】
・自社または提携先の仲介店舗を持っているか
・インターネット募集に力を入れているか
・リフォームや原状回復の提案力があるか


担当者の対応品質

最終的に任せるのは「人」です。担当者のレスポンスの早さや提案力、信頼関係を築けそうかをしっかり見ておきましょう。初回の面談時の印象や、質問への答え方にも注目です。

【チェックポイント】
・回答が早く丁寧か
・専門知識を持っているか
・こちらの悩みに対して具体的な提案があるか


家賃保証会社との連携体制

見落としがちなのが「保証会社との連携」です。管理会社の変更にともない、家賃保証契約が切れてしまうケースがありますが、保証会社とのスムーズな引き継ぎができる体制かどうかは重要な判断軸になります。

【チェックポイント】
・保証会社の再契約が必要かどうか確認してくれるか
・引き継ぎ書類の手配まで対応してくれるか


契約後のサポート体制

契約して終わりではなく、その後も継続的にサポートしてくれるかどうかも重要です。月次報告書の内容、問い合わせ対応、オーナーとの定期面談など、契約後のケアがしっかりしている会社を選びましょう。

まとめ

賃貸管理会社の変更は、煩雑でリスクがあるイメージを持たれがちですが、実際には多くのオーナーが「対応の改善」や「空室対策の強化」「収支の見直し」といった目的で変更を行い、経営改善につなげています。
もちろん、変更に伴う注意点やトラブルのリスクはゼロではありません。しかし、事前に契約書の内容を確認し、引き継ぎ体制を整え、入居者対応を丁寧に行うことで、多くのリスクは回避可能です。
また、家賃保証契約の再手続きや解約に関する懸念も、保証会社とのスムーズな連携を行う管理会社を選ぶことで解消できます。いえらぶ安心保証のように「一括保証登録」に対応しているサービスを活用すれば、管理会社を変更してもすぐにまとめて保証契約でき、滞納リスクに備え続けられるという大きな安心があります。
管理会社を見直すことは、オーナーとしての経営判断の1つです。現状に満足できていないなら、まずは「なぜ変えたいのか」を明確にし、自分の物件や経営方針に合った会社を選びましょう。
丁寧な準備と判断を重ねることで、管理会社の変更は、より良い賃貸経営への第一歩になります。

この記事を書いた人

いえらぶパートナーズ編集部

私たちは、「親身なサービス×ITで、関わる人すべてを幸せにする」を理念に事業を展開しています。 不動産会社、家主、ご契約者向けに、家賃保証サービス「いえらぶ安心保証」、24時間駆け付けサービス、クレジットカード決済サービスなどを提供し、人と人との繋がりを大切にしています。 ITを活用して感動的なサービスを提供し、賃貸住宅の入居前後のサービス連携やペーパーレス化・キャッシュレス化の推進を通じて、不動産業界全体の発展を目指しています。 このメディアでは、日々の業務で得た気づきやノウハウを発信し、家賃保証業界向けに有益な情報を提供しています。

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