
賃貸経営において、入居者の孤独死は避けて通れないリスクです。原状回復・特殊清掃・家賃減額など、家主の損失は数十万〜数百万円にのぼることも。
本記事では、孤独死による金銭的リスクと補償内容、大家向け・入居者向け保険の違い、そして孤独死+滞納+夜逃げ等をまとめてカバーできるいえらぶ安心保証の特徴をわかりやすく解説します。
賃貸経営では、空室リスクや家賃滞納と並んで「孤独死リスク」への備えが重要視されています。
近年、一人暮らしの高齢者が増加しており、賃貸物件での孤独死も年々増えています。
発見まで時間がかかるケースも多く、原状回復や家賃損失など、家主や管理会社に大きな負担が生じることがあります(日本少額短期保険協会「第8回孤独死現状レポート」)。
東京都監察医務院の調査によると、東京23区における全世代の孤独死件数は2003年の約2800件から2020年の約6000件と、2倍以上に増加しています(東京都監察医務院「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」)。
全国では、一人暮らしの自宅死亡者数は年間約7万6,000人にのぼるとされ、今後も増加傾向にあります(警察庁「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」)。
賃貸物件では入居者の生活状況を常時把握することが難しく、発見が遅れることで損害が拡大しやすい点がリスクです。
入居者が部屋内で亡くなった場合、特殊清掃や原状回復に数十万〜数百万円の費用がかかることがあります。発見までの平均日数は約17日で、夏場は腐敗が進行しやすく、費用がさらに膨らむ傾向があります。また、事故物件として扱われる期間中は家賃を下げざるを得ず、最大で300万円を超える損失が生じた事例も報告されています。
こうした金銭的損失は経営に直結するため、孤独死リスクを軽視することはできません。
孤独死のうち20〜50代の現役世代が約40%を占め、平均死亡年齢は61歳前後。また、孤独死の83%が男性であることも報告されています(日本少額短期保険協会「第8回孤独死現状レポート」)。
ただし、孤独死は高齢者だけの問題ではありません。働き盛り世代でも社会的孤立が進む中、すべての世代の入居者に孤独死リスクが存在しているのです。
入居者の孤独死は、精神的ショックだけでなく、賃貸家主にとって経済的損失の大きい出来事です。原状回復や清掃、遺品整理、さらには家賃の減額など、さまざまな費用と時間が発生します。
ここでは、主な損失の種類と金額相場を見ていきましょう。
孤独死が発生した場合、まず必要になるのが特殊清掃や原状回復です。体液や臭気の除去、床材の張り替え、除菌・脱臭など、通常の退去清掃とは比べものにならない工程が必要になります。
日本少額短期保険協会「第8回孤独死現状レポート」によると、原状回復費用の平均は約39万円、最大で410万円に達した事例もあります。残置物処理費用も平均23万円(最大180万円)と高額で、合わせると60万円以上が一般的な損害額です。発見までの平均日数は17日とされ、特に夏場は腐敗が進行し、費用が増大する傾向があります。
孤独死が起きた部屋は「事故物件」として扱われる場合があり、新たな入居者を募集する際には家賃を下げる必要が生じます。家賃減額率は1〜3割に及ぶケースもあり、入居までに数カ月かかることも珍しくありません。
一方、2021年に公表された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」により、病死など特殊清掃を伴わない事案は告知義務の対象外となりましたが、清掃が必要な場合は3年間の告知義務が残ります。
つまり孤独死が発生した物件では一定期間、家賃収入が全く見込めないリスクすら高まってしまうのです。
孤独死現場では、家具や家電、生活用品がそのまま残されることが多く、家主が勝手に処分することは法律上できません。相続人の同意を得るまで新しい入居者を募集できず、手続きが長期化する場合があります。
2021年に国土交通省が示した「残置物処理等に関するモデル契約条項」では、入居契約時に死後事務委任契約を結ぶことで、管理会社や代理人が速やかに処理できるようになりました。
しかし実務上は対応に時間を要することも多く、賃貸経営における見えないコストとなっています。
孤独死保険とは、入居者が室内で亡くなった際に発生する原状回復費用や家賃損失などを補償する保険です。孤独死は誰にでも起こりうるリスクであり、特に賃貸物件では家主・管理会社が経済的損害を被るケースが多く見られます。
この損害を最小限に抑えるために、賃貸業界では「孤独死保険」の導入が進んでいます。
孤独死保険では、主に以下の3つの費用を補償します。
遺体の発見が遅れると腐敗や臭気が広がり、床や壁の交換、消臭・除菌などの費用がかかります。
日本少額短期保険協会の調査によると、原状回復の平均費用は約39万円、最大で410万円にのぼります。
家具・家電・生活用品などの処分費も平均23万円前後と高額で、相続人不在時は処理に時間を要することもあります。
孤独死によって物件が「事故物件」となると、家賃を下げたり、入居が決まるまでの期間が延びたりします。
保険では、この空室期間中や家賃減額分を最大6~12カ月まで補償するものが一般的です。
これらの費用を一度に補うことで、突発的な損害にも冷静に対応できるのが孤独死保険の最大の特徴です。
大家向け(家主型)保険は、家主や管理会社が契約者となり、孤独死が発生した際に発生する原状回復費用や家賃損失などを直接補償できるタイプです。
特に経営上のリスクを抑えたい家主にとって、有効な備えとなります。
・家賃損失まで補償:原状回復・特殊清掃だけでなく、事故後の空室期間の家賃減収もカバーできる。
・家主が直接補償金を受け取れる:相続人不在でもスムーズに保険金を請求可能
・賃貸経営の安定化:修繕や空室リスクに即対応でき、資金繰りへの影響を軽減
・一括加入が可能:管理会社経由で複数戸をまとめて契約できる場合もあり、手間を削減
・保険料を家主側が負担する必要がある(1戸あたり月300〜500円前後が一般的)
・加入対象が建物単位のため、空室でも保険料が発生する場合がある
・一部特約は別途追加費用が必要(修理費用担保特約など)
家賃収益を重視する家主にとっては、多少のコストをかけてでも導入する価値が高いタイプといえます。
一方「入居者向け」の孤独死保険は、入居者が加入する火災保険の特約として提供されるケースが多く、主に遺品整理や原状回復費用などを補償します。
・入居者が費用を負担するため、家主側の出費がない
・ 火災保険にセットできるため、加入手続きが簡単
・入居者死亡時の基本的な清掃・修繕費をカバーできる
・家賃損失は補償対象外となる場合が多く、空室期間の損害はカバーされない
・保険金の受取人が入居者(または相続人)のため、家主が直接請求できない
・相続人不明や手続きの遅延により、実際の補償まで時間がかかるケースもある
賃貸経営をしていると、今回お話している孤独死に加えて家賃滞納・夜逃げといったトラブルにも遭遇することがあります。ただ、それぞれの保険や保証を別々で契約すると、手間もコストも増えてしまいますよね。
そこでオススメしたいのが、いえらぶ安心保証です。
このサービスは、家賃保証と孤独死補償を一体化した仕組みで、家主の損失と管理会社の業務負担を同時に減らすことができます。
いえらぶ安心保証では入居者が家賃を滞納した場合や、夜逃げ・孤独死が発生した場合でも、家主へ未収分の家賃を立て替えて支払う仕組みになっています。
特に孤独死に関しては、原状回復費用・清掃費・家賃損失まで補償の対象。事故発生後の清掃や再募集までの期間で発生する損害リスクを防げるので安心です。
しかもこの保険は、保険料の支払いをいえらぶパートナーズが三井住友海上火災保険株式会社に直接行っており、賃貸人(家主)の負担はゼロ。保険金請求の権利は家主側に付与されているため、相続人不明などで手続きが滞る心配もありません。
これにより、家主は支払い負担なく補償を受けられるという仕組みになっています。
いえらぶ安心保証では、信託スキームを採用しています。これは、入居者から集金した家賃を一度信託口座に預け、そこから家主へ安全に送金する仕組みです。
信託型スキームは一部の大手保証会社でも採用されていますが、いえらぶパートナーズではこの仕組みを家主直送金や明細送付まで含めてして運用しており、家主にとって金融機関レベルに近い高い安全性と運用効率を両立しています。
孤独死は、もはや高齢者だけの問題ではなく、単身世帯が増える現代において、あらゆる賃貸物件に潜むリスクとなっています。
万一発生すれば、特殊清掃や原状回復、空室期間の家賃損失など、家主・管理会社に数十万~数百万円規模の損害が発生することも珍しくありません。
こうした事態に備えるためには、「孤独死保険」や「家賃保証」などのリスクヘッジをあらかじめ整えておくことが不可欠です。なかでも、孤独死による費用・損失を補償する「家主型保険」は、経営の安定を守る重要な手段といえるでしょう。
いえらぶ安心保証の「孤独死保険付帯プラン」であれば、孤独死による原状回復費用や家賃損失をカバーしながら、家賃滞納や夜逃げといったリスクにも同時対応。さらに、保険料の支払いはいえらぶパートナーズが負担し、家主はゼロコストで補償を受けられる仕組みです。
孤独死リスクを避けることは難しくても、正しい備えによって守ることはできます。
安心・安定した賃貸経営を続けるために、いえらぶパートナーズの保証一体型プランを、ぜひ一度検討してみてください。
この記事を書いた人
いえらぶパートナーズ編集部
私たちは、「親身なサービス×ITで、関わる人すべてを幸せにする」を理念に事業を展開しています。 不動産会社、家主、ご契約者向けに、家賃保証サービス「いえらぶ安心保証」、24時間駆け付けサービス、クレジットカード決済サービスなどを提供し、人と人との繋がりを大切にしています。 ITを活用して感動的なサービスを提供し、賃貸住宅の入居前後のサービス連携やペーパーレス化・キャッシュレス化の推進を通じて、不動産業界全体の発展を目指しています。 このメディアでは、日々の業務で得た気づきやノウハウを発信し、家賃保証業界向けに有益な情報を提供しています。
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